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第6回解体工事雑学講座

皆さんこんにちは!
タクミ工業株式会社、更新担当の中西です。

いつも「解体工事雑学講座」をご覧いただき、ありがとうございます。


第6回 解体工事におけるコスト管理と工程最適化

解体工事では、安全・環境対策と同時に、コスト管理と工程の効率化が事業の成否を左右します。適切な原価計算と計画的な工程管理で、無駄を省きつつ品質を確保する方法を詳しくご紹介します。


1. 原価計算のポイント

  1. 直接費と間接費の明確化

    • 直接費:重機リース料、人件費、廃材処分費など、工事量に比例する費用

    • 間接費:現場管理費、安全管理費、仮設設備費など、工期に依存する費用

  2. 単価設定の精度向上

    • 過去実績データをもとに、重機使用時間あたりの燃料費・保守費を算出

    • 廃材運搬距離ごとの運搬単価と処分場の手数料を正確に把握

  3. 見積もりと実績の乖離管理

    • 毎週のコスト実績を見積もりと比較し、差異分析を実施

    • 大きな乖離が発生した場合は、即時原因を調査し、対策を講じる


2. 廃材運搬・処分コストの削減策

  1. 最適ルート計画

    • 廃材処分場への最短ルートをGIS(地理情報システム)で算出

    • 運搬トラックの積載効率を高める荷役計画

  2. 中間処理施設の活用

    • 現場近隣のリサイクルプラントを利用し、搬送距離と時間を短縮

    • コンクリート破砕機を現場配備し、再生骨材化して再利用

  3. 分別精度向上による単価低減

    • 金属、木材、コンクリートなど細分化した分別で、リサイクル率アップ

    • リサイクル品目ごとの買取価格を事前調査し、収益化を図る


3. 工程表作成術と短縮の工夫

  1. クリティカルパス法(CPM)の活用

    • 全作業を洗い出し、最長経路(クリティカルパス)を特定

    • クリティカルパス上のタスクにリソースを重点配分し、遅延リスクを最小化

  2. 並行工程の導入

    • 廃材分別と重機解体を同時進行で実施し、全体工程を短縮

    • 安全ゾーンを設定し、異なる作業班が干渉しないよう調整

  3. デイリー・スタンドアップミーティング

    • 毎朝10分程度で前日の進捗と当日の重点作業を共有

    • 問題点を早期に発見し、即時対応策を決定


4. ICTを活用した進捗・コスト管理

  1. 現場管理アプリ

    • タブレットで作業実績(時間、人数、重機稼働)をリアルタイム入力

    • クラウドでコスト実績と連動し、ダッシュボードで可視化

  2. ドローンによる進捗撮影

    • 定点空撮で現場の廃材残量や重機稼働状況を定期的に確認

    • 画像解析で作業進捗を自動算出し、報告書作成を効率化

  3. BIM連携による数量管理

    • 解体対象モデルから自動で部材数量を算出し、見積もり精度を向上

    • 変更が発生した際は即時モデル更新で、工程とコストに反映


次回予告

次回の第7回では、「解体工事の最新技術と機械化の潮流」をテーマに、

  • 高性能ロボット解体機の活用事例

  • AI搭載重機による自動化施工

  • 3Dスキャナーでの現況把握

など、業界をリードする最新テクノロジーをご紹介します。どうぞお楽しみに!


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